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アラキ工務店で現場監督をしています。
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アラキ工務店|松のリフォーム
京都の(株)アラキ工務店に勤めています。クロスの張替や便座の取替などちいさなリフォームでも遠慮なくおっしゃってくださいね♪
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伊根の舟屋

会社の研修で、舟屋で有名な伊根町へ連れていっていただきました。

IMG_20160904_174500.jpg

穏やかな海のほとりで営まれる素朴な漁村の暮らしの様子は本当に素敵で、

観光地化とは距離をとって、そっとしておいて欲しいというのが、観光業に携わらない地元の方の本音かもしれません、

と宿の方のお話も、なるほどとそうだと思わせられる、良いところです。

メディアやガイドブックでの紹介から想像していたよりもずっと人も少なく、おちついた時間のながれる集落です。


IMG_20160904_154159.jpg

舟屋はなぜ妻入りなのかということを疑問に思っていたのですが、

地元のガイドの方が見せてくださった戦後まもなくの写真や地域の説明から、少し納得できました。

裏山に硬い岩盤の崖が迫っており、山手へ宅地が広がらないため必然的に湾に面した短冊状の敷地に

家々が密集して並ぶことになりますが、舟屋も民家同様、もともと茅葺屋根がかかっていたので、

平入りでは棟が高くなってしまいます。

海風を受けないためには平入りの方が良いのでしょうが、もともと漁具を納める小屋なので、写真のように妻壁は隙間をあけて

茅や板が張られて風が通るようにしているそうです。(舟屋が居住スペースになるのは主に戦後以降とのこと)


建物は通し貫にくさびをうったオーソドックスな伝統木造の構法で、海にむかって1階が間口いっぱいに開放できるよう、

妻面の柱梁接合部に貫が斜めに通してあり、揺れた際にめり込みで耐力を発揮するようになっているのが特徴です。

また大正期までの舟屋は、柱の裾がお寺の鐘楼のように柱を転ばせて組んであり(将棋の駒のようなプロポーション)

さらには浜の傾斜にそって、棟や桁までも山手が高く組まれています。大工さんは墨付けが混乱しそう。


ぶりの大漁で潤った漁村に昭和になって4mの道路を通す時代の要請があり、

それまで1m程度だった母屋との間地に短冊状の敷地を貫く道が敷かれたのですが、

その際に護岸を3m程埋め立て、建てなおされたのが、総2階の舟屋が並ぶ現在の景観だということです。

重要伝統的建造物群保存地区というと、昔からの生活と建物が変わらず続いているという印象を受けがちですが、

舟屋については指定をうけるのが昭和30年までの建物で(母屋などは昭和20年まで)、

戦前戦後の漁村の好況と近代化が統一感のある景観形成の契機になっている点が面白いです。


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